紀行文をしたためる前にこの素晴らしい旅のチャンスを与えてくださった御社に感謝致します。
夜の大桟橋は心地よい潮風で私を迎えてくれた。出国手続きを終え振り返ると、孫娘が手を振ってくれて居た。乗船し今日からお世話になるキャビン528号に入る。早速情報誌に目を通す。出航に際ての、ボンボヤージュサービスを受けてデッキに出ると、其処には言葉に尽くせぬ程の素晴らしい夜景と、流れるア・ラウン・ザ・ワールドのメロディに思わずステップを踏んでいた私が居ました。
そして、この至福の時間を呉れた家族にも感謝しました。
私は一人旅です。キャビンから故郷房総の灯りが見えなくなる迄見入っていました。
其の第一夜は寝付けませんでしたが、朝の清々しい空気と、豪華な朝食に気分は一転しました。プログラムの清川 妙先生の講演をラウンジ「エメラルド」で聴講致しました。この日海は荒れておりましたが、お話、真に迫った本当に素晴らしいひと時でした。
ウエルカムパーティでの“ふじ丸カクテル”は私を淡い夢の世界へと誘う。「もう一杯如何?」と隣のご婦人が声を掛けてくださる。此の頃迄にはお友達も出来てディナーにはもう8人も集まるように成ります。洗練された給仕さん達に依って次々運ばれるお料理を味わいながら、有難うと感謝の言葉を返す。
今日は出航以来初めて南の島に出会う。ふじ丸は減速して鳥島を通過する。海は蒼く、白く翡翠色に変わっていました。
夕べには友人と賛美歌を口ずさむ。知らぬ同志が共通点の在った事に喜び驚き、且つ感謝です。この夜のディナーは船長さんと同席する。ビールをご馳走様でした。
最初の寄港地グァム島に上陸です。チェックが厳しくて一人ずつ面接を受けます。シャトルバスでショビングに。途中、いたる所にハイビスカスやブーゲンビリヤが咲き誇っている広い長閑な景色の中を車は走り、一同お土産物を買い求め帰船しました。夜はカラケに興じました。
海は凪いで、ふじ丸は日の丸をはためかせて快適な航海が続きます。其の夜は最深海溝(10920m)を通過。未知の世界に想いを馳せる一夜でした。
ヤップ島周辺でやっと陽光に出会う。南の太陽に私の腕や頬辺りが日に焼けて来ました。然しこの海の色の美しさ。とても私のったない筆では書き表せません。
雨のパラオ島。珊瑚礁の美しい島々と優しい現地の人々の印象が、忘れがたい思い出を残す事でしょう。熱帯地方の植物の葉がこんなに大きいのを初めて知りました。潜水船の海中探訪も御座いました。
ペリリュー島の慰霊碑「みたま」に墓参された方々からお話を聞き、皆泣きました。船上から合掌しご冥福を祈りました。
突然のスコールと虹が交差して、我々の出航を見送ってくれました。
航海士さんの体験談で、皆様の大変なご苦労の一片が伺い知れ、本当に有難う御座いました。帰路にも余る程沢山のプログラムに満喫させて頂きました。
いざ着岸の際、皆しての踊りに和して、大桟橋の出迎えの人達も一つに成って踊ったあの光景と感激は生涯忘れる事は無いでしょう。
つたない文章では御座いますが、此れで「ミクロネシアカジュアルクルーズ」の紀行文を終わりと致します。
私の竜宮城“ふじ丸”そしてスタッフの皆様、本当に有難う。
このたび、モニター・ツアーに応募し諦めていた所に当選の連絡あり、北海道旅行を決定していたのを家族会議で急遽変更し、参加することにしました。
一週間前の連絡でもあり、準備にてんてこ舞い。3月5日の出発日には、当地は大雪で飛行機が飛ぶのだろうかと心配しながらの横浜行きでした。
久しぶりの大桟橋、岸壁には世界一周でしょうか、コロンバス号と日本丸が停泊し、間もなく両船とも出港しました。午後十時ふじ丸が後退うように出港し、シャンパンで乾杯しながら美しい横浜の夜景を後に12日間のクルーズが始まりました。短期間のクルーズは何度も体験しているのですが、外洋に出る長期間のクルーズは初めてなので、いくばくかの緊張感と期待を持って取り敢えず船内探訪。
夜食にしては豪華な食事を堪能しベットに入る。一夜明けると経験したことのないシケ。救難訓練もそこそこに、同乗の二人は船酔いでダウン。今夜のウェルカム・ディナーに参加することは出来ず、早速船酔いの注射の洗礼を受ける有様。この先どうなることかと案じていたのですが、3日目から揺れも収まり注射が効いたのか以後は楽しい航海を続けることが出来ました。残念ながら、天候に恵まれたとは言いにくい航海で、期待していた鳥島のアホウドリ観察・小笠原のホェールウォッチングなど、見られなかったのは悔いが残りました。
今回の私にとって最大の目玉だった、パラオのダイビング、最悪の天候で、一応、熱帯魚・アコヤ貝など見られたのですが、これが晴天だったらと残念でなりません。しかし、パラオでは久しぶりの雨の恵みだとか、また、次のチャンスに期待したい。
船内の各催しでは、それぞれ工夫が凝らしてあり、金子晴美ショウ・シークトリオ・マジック・津軽三味線まで多種多様なショーがあり、カルチャー教室では、ロングステ一教室などまったく飽きることのない日々が続き、あっという間の航海でした。
しかし、何と言っても、楽しみは食事です。人づてにふじ丸の食事は美味しいと聞いていましたがこんなに美味しい食事が毎日食べられたとは期待以上でした。
調理師見習いの従兄弟が、メニューが持ち帰れるなら「お土産に欲しい」と言われ見せたところあまりの豪華さに吃驚していました。
楽しい12日間でしたが、同乗の二人は満足したものの、最初の船酔いがこたえてか、2,3日間のクルーズに何度も乗ったほうがいいとのこと。
楽しいクルーズ、本当に有難う御座いました。
ふじ丸で航く12日間のミクロネシアクルーズに心弾ませて両親と3人で参加しました。
初めて乗るニッポン船に夢と期待もトランクに詰めて横浜港からさっそうと出航しました。
航海コースはアホウドリで有名な鳥島、また鯨の出現を大いに期待したい小笠原諸島を経てグアムに向かいましたが、あいにくの悪天候で鳥も魚もまったく見られず大波小波の嵐にすっかり船酔い状態で外の景色さえも見ることができませんでした。
しかし親切な船医さんと看護婦さんのおかげですっかり完治。それからは楽しさいっぱいのクルーズイベントに参加したり毎食のメニューに舌づつみ、めったに聴くことができないプロによる生演奏を聴きながらのアフタヌーンティーに心を癒し、また船旅経験者からいろいろな経験談を聞く機会も持てて楽しいひと時も体験できました。
パラオでの圧巻は、潜水艇から見た珊瑚礁と熱帯魚の群れに感動したことで、我が地球にこれほどまでに素晴らしい楽園が存在することや、自然の美しさををつくづく実感し、また環境保全に地球規模での取り組みが必須であることを痛感しました。
往路はパラオから沖ノ鳥島を通過して伊豆七島をゆっくり眺めながらのコースでしたが、この頃になると船内で知り合った方々と気軽に会話もできるようになって楽しさも倍増し、毎日船内で配られる情報新聞を見て各自でその日の行動を決め、ダイニングで集合して夕食や歓談ができるようになっていました。
高齢な部類に属する両親(90代)ですが船内どこにも一人で散策して、同じ年齢の方々と昔話に花を咲かせあちこちで挨拶を交わしておりました。
また船内スタッフのマナーも素晴らしく、必ず挨拶と微笑を絶やさず温かいホスピタリティーに感心しました。外国船では味わえなかったものに大浴場があげられますが、大海原の真ん中でジャグジーのお風呂に入れた気分は最高で、ここはどこ? と思わず錯覚してしまいました。
12日間の船旅でしたが両親も私も大いに楽しみ、日本船でしか味わえないきめ細かい配慮に満足して次の航海に夢はせております。もしかしてここで知り合った方々と再会できるのではと思いつつ。
皆様本当にありがとうございました。