2006年5月28日(月)〜6月11日(月)15日間
PTSクルーズデスク専任添乗員 小柴 佐和美
4月に就航したばかりのエメラルド・プリンセスに乗船しました。
5月29日にバルセロナから乗船。東に航路を進め、マルセイユに寄港した後、イタリア半島の西岸・3箇所に寄港。その後、エーゲ海に浮かぶ白い家並みの島・ミコノス、ヨーロッパとアジアの接点・イスタンブール、トルコのエーゲ海リゾート・クサダシ、アテネの玄関口・ピレウスに寄港。アドリア海を北上して、水の都・ベニスで最終下船しました。
どの寄港地も、見どころがいっぱい。船内12泊・寄港日10日間。ほぼ毎日寄港という忙しさはありますが、地中海の歴史が凝縮されたこれらの地をこれだけの短期間で、しかもラクに回れるのは、動くホテル・クルーズ船ならでは。
知的好奇心が満たされること間違いなしのこのコースでは、バルセロナのピカソ美術館・フィレンツェのアカデミア美術館・ローマのバチカン博物館でヨーロッパの芸術を堪能。古代遺跡は、ナポリからポンペイ遺跡、ミコノス島からデロス遺跡、クサダシからエフェソス遺跡、そしてアテネのパルテノン神殿を訪れました。考古学ファンには見逃せない場所ばかりです。
イスタンブール入港とベニス入港の美しさはクルーズであるからこそ体験できるものです。地中海からダーダネルス海峡を抜けた後、マルマラ海を進み、イスタンブール旧市街を左舷側に見ながらの入港。この旧市街の景観が素晴らしい。トプカプ宮殿・アヤソフィア・ブルーモスクが連なるように見えてきます。
船はイスタンブールから折り返すため、その旧市街の景観は、出港したあと、今度は右舷側に見えてきます。夕焼けに照らされるモスクや塔、祈りの声は荘厳で素晴らしい。イスタンブールを都としたかつてのオスマン帝国と戦いまた交易し、アドリア海の女王と呼ばれたベニスへの入港もまた素晴らしい。このクルーズのハイライトといえるでしょう。
絵葉書でみる以上の景色が目の前に広がります。数々の教会の塔や丸屋根、茶色く統一された建物の屋根の向うに海が見えます。サンマルコ広場が左舷に見えてきた時に乗客の感動は頂点に達します。何百年も前にベニスに入港した貿易船の船乗りたちが見てきたであろう海からのベニスの町並み。十数階建ての大型客船の私たちはもっと高い視点でそれを眺めているのです。
従来のプリンセスに比べ、食事がおいしくなったように感じました。繊細な前菜、新鮮な食材を使った主菜、創造性のあるデザート。特に、二つのサブレストラン(イタリア料理とグリル料理)は落ち着いた雰囲気で味も良く、レストランとしてのグレードは高いです。
エンターティメント面では、4本の新作・プロダクションショーが投入されました。古きよき時代のミュージカルからソウルフルなモータウン・ミュージックまでバラエティあふれるショーが楽しめます。
プールサイドには屋外ムービーシアターが登場。星空の下、映画鑑賞ができます。5階の吹き抜けでは、大道芸や弦楽器によるミニコンサートが随時行われ、乗客を飽きさせない工夫がされています。
なによりもクルーたちがやる気いっぱいで、乗客を楽しませたいという気持ちが伝わってきます。これが新造船のよさかもしれません。